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ブログBLOG

2021/08/25

TECHNOLOGY

【品質管理Blog】搬送ベルトの検査

みなさん、こんにちは。
品質管理のMです。

今回は品質管理部門で行っている製品検査の中から、主力製品でもある『搬送ベルトの検査』についてご紹介したいと思います。


目次





◆検査製品について



皆さんの会社ではどのような製品を検査していますでしょうか?
当社の品質管理部門で検査している製品は、大きく分けると以下の3つに分類されます。



・ベルト(搬送ベルト/タイミングベルト)
・航空機内装部品
・一般製品


3つ目の「一般製品」とは、様々な製品を含んでいますが、「ベルト」と「航空機内装部品」が、それぞれ少し特殊な検査方法や品質規格となっているのに対し、こちらに分類する製品は、主にJIS規格等で規定される製品品質で検査を行っているからです。


当社は商社機能と製造業の機能を併せ持っているというところもあり、扱う製品が多岐に渡る状況になっていますので、「一般製品」の分類にはプラスチック製品やゴム製品、金属部品など、様々な製品を含んでいます。






◆ベルト検査の流れ



検査作業の、おおまかな流れは次のようになっています。



1. 現品票と指示書等の照合
2. 寸法検査
3. 外観検査
4. 出荷梱包


作業の流れとしては、普通の検査だと感じれらる方が多いと思いますので、各工程の作業について、少し詳しく見て行きましょう。




1. 現品票と指示書等の照合


まず初めに行うのは、現品票と製造指示書等の照合です。
製品は製造部門から検査部門へ回ってきますが、その際にベルト本体と現品票、指示書等がセットになって回ってきます。


ベルトは外観上では違いが判らない製品も多くあるので、現品票でその製品がどの注文分になるのかを識別しています。
ですが、現品票には必要最低限の情報(品名や数量、お客様の注文番号等)しか載っていないので、現品票(ベルト本体)と指示書等の書類が一致しているかを必ず確認する必要があります。


目視確認でしかありませんが、とても重要な工程になります。
また、この時点で次の寸法検査時に必要な寸法公差なども確認しておきます。




2. 寸法検査


次に行うのが寸法検査です。
寸法検査は基本的には幅、周長(長さ)の2つになります。
付帯加工がある場合は、その内容に応じて検査項目が増えて行きますが、どのベルトでも必ず幅と長さは検査しますので、今回はここに絞ってのご紹介です。


ベルトの進行方向に向かって垂直な向きがベルトの幅となり、進行方向に向かって水平な向きがベルトの周長(長さ)となります。




幅、周長共に寸法は金属製の直尺で測定しています。
(※お客様によっては測定方法を仕様書等で別途指定される場合もあります)


幅寸法は、エンドレス部(繋ぎ目)が、加工時の熱により収縮しているため、測定箇所にも気を付けなければいけません。


検査時に測定した値は、指示書に記入することで記録とし、検査後にISO9001で規定する記録保管を行っています。



ちなみに、ベルトのサイズは、小さなものから大きなものまで様々です。
大きなサイズになると、移動するために持ち上げる際に、一人で抱えるのが難しいくらいのサイズと重量になる物もありますので、その時はとても大変です…


↓実際の作業現場です。



3. 外観検査


寸法検査が終わると、次は外観検査を行います。


外観検査では、ベルト表面に異物付着や傷等がないことを目視確認します。


外観検査基準があるので、それに沿ってNG品がないかの確認をしています。
ベルトの表面は、樹脂製のものがほとんどであり、表面形状によっては傷つきやすいものもあるため、細心の注意が必要です。


特にエンドレス部は要注意です。
というのも、熱プレスで樹脂を溶融してベルト同士を繋ぎ合わせているので、その際に埃などの異物が入ってしまう場合や、気泡が発生してしまったりすることがあるためです。
大きな気泡や、異物が入っていると当然再加工の必要が…


また、作業現場の写真でテーブルが白色になっているのを見ていただいていると思いますが、実はあれ……白色の搬送ベルトでテーブルを覆っているんです。
作業面を柔らかいものでカバーして、少しでも製品に傷が生じてしまうのを防ぐことと、テーブルの汚れがわざと目立つように工夫をした結果です。




4. 出荷梱包


最後は、製品の出荷用梱包です。


保管・輸送時の、汚れや傷から守るために、ビニールシートやビニール袋に入れて梱包します。
この際、基本的には現品票も一緒に梱包していますが、ベルトの種類やお客様によっては梱包方法が決まっている場合もあるので、梱包前の確認が重要です。


ベルトの梱包は、基本的には巻いた状態にしますが、ここであまり強く巻きすぎると、巻き癖が付いてしまったり、折れ目が発生してしまうこともあるので、ここでも細心の注意が必要となります。
エンドレス部はベルトの中で一番弱い箇所になるので、そこが折れないようにも注意しています。


梱包一つにしても様々なことを考え、その場・その製品に合わせた、柔軟な対応が必要になっています。







◆最後に…



おおまかな作業内容をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?


ベルトの検査について、そんな作業をしているのか、そういった所に注意しているのか、等と流れだけでも理解してもらえたら、幸いです。
この他にも横桟(プロファイル)の検査など……付帯加工ベルトの検査も色々とありますが、それはまた別の機会でご紹介できればと思います。


当社で取り扱っている搬送ベルトの詳しい情報について、下にリンクを貼っておきますので、時間があるときにでも覗いてもらえたら嬉しいです。
また、横桟についてのブログ記事もありますので、そちらもぜひご覧下さい。





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