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事例紹介SOLUTION

【高機能プラスチック ケトロンPEEK】
#材質変更 #耐久性改善 #耐熱性 #摺動性UP

ケトロンPEEK は三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ社の高機能プラスチック素材です。

一番の特徴は、耐熱性が高いことで、連続使用温度は250度となっており、耐薬品性や耐摩擦摩耗性、機械加工性にも優れています。

今回ご紹介するケトロンHPV PEEKは、ケトロンPEEKシリーズの摺動グレード品(すべりやすさに特化した製品)になります。

雰囲気温度の高い場所で使用していて、熱による劣化が見られる場合、素材をケトロンPEEKに置き換えるだけで耐久性を延ばすことができ、交換頻度の低減、交換部品在庫数量の削減が可能です。

なお、さらに高温の場所での使用で寸法変化に厳しい用途の場合は、より耐熱性に優れたジュラトロンPAIという材料もご検討いただくことが可能です。

ご相談内容・課題
食品工場様からのご相談。

プラスチック製の回転軸用ブッシュ(軸受け)の劣化・交換頻度が早く、困っている。

近くにオーブンがある場所で使用していて、雰囲気温度が高いために、熱による変質が起こっていると思われ、欠けた部品が製品に混入してしまう懸念があるので、壊れにくい材質に変更したいとのこと。
ご提案内容
現物を確認したところ、従来品の素材は汎用の超高分子ポリエチレン製だと判明。
この材料は、食品衛生法に適合していて、食品工場では一般的によく使われていますが、耐熱性はそれほど高くはありません。

高温環境下で使用し、且つ「軸受け」という用途であることから、求められる条件として、以下の3点を全て満たす必要があります。

1)耐熱性に優れること
2)耐摩耗性に優れること
3)摺動性に優れること

この条件を満たす素材として、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ社の『ケトロンHPV PEEK』と『ジュラトロンPAI』をご紹介。

実機テストにて、汎用超高分子ポリエチレン(従来材同等品)と併用使用して劣化状況の分析を実施した結果、従来材同等品ではわずかに変色し劣化の兆候が見られましたが、ケトロンHPVとジュラトロンPAIでは変異な点は無かったことが確認できました。

この2種類の材料はどちらも十分な耐久性が得られますが、コスト面でメリットのあるケトロンHPVでご採用となりました。

使用箇所のすべての軸受けの材質をケトロンHPV PEEKに置き換えて製作・納品して、部品交換をして頂き、現在は安心してご使用いただけているとのことです。

その他
ケトロンPEEKは、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)を押出成形した素材で、連続使用温度は250度であり、耐薬品性、耐摩擦摩耗性、機械加工性などにおいて、非常にバランスの取れた熱可塑性スーパーエンジニアリングプラスチックです。

また、ケトロンHPV PEEKは、さらに炭素繊維、グラファイト及びPTFEを充填した摺動グレード品であり、耐摩擦摩耗性と摺動性を兼ね備えていることから、軸受け、ライナーなどの摺動部品や、歯車の材料に適しています。

プラスチック部品に変形が見られる、劣化が早いというお悩みは、使用環境に適した材料に変更することで解決できる場合が少なくありません。

当社は自社でプラスチック・ゴム製品の加工が可能であり、図面がなくても現在ご使用の部品をお借りして図面を作成し、加工品を製作することもできます。
素材の提案、サンプルの作成、実機でのテストを経て、納得してご採用いただくことが出来ますので、是非お気軽にご相談ください。


※『ケトロン』、及び『ジュラトロン』は三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社の登録商標です。