事例紹介SOLUTION
規格車輪のウレタン部巻替え改良
#特注車輪 #ウレタンキャスター #台車 #高強度ウレタン #R付切削加工 #再ライニング #リペア
【規格車輪のウレタン巻替え】
材質の変更:一般グレードウレタン → 高強度ウレタン
外径(肉厚)の変更
ウレタン部 仕上げ形状の変更
- ご相談内容・課題
- 装置メーカー様からのご相談。
社内で製品を移送する際に使用している特殊仕様の台車があるが、動作が悪く、改良を検討している。台車はサイズが大きく仕様が複雑なため、設計変更しての作り直しや改造をすると費用が高くなってしまう。
台車の数は100台近くあるので、予算内で出来るだけたくさんの台車を改良するために、車輪の交換のみで何とかしたいと思っている。
既に車輪メーカー、キャスターメーカーに複数相談したが、どこも特注には対応できないと断られてしまった。何とかならないだろうか、とのこと。
- ご提案内容
- まずは現行品のメーカー名、型式、サイズを確認しました。
後輪については、取付寸法が同じで、走行性の良い高強度ウレタン仕様の他メーカー品のキャスターがすぐに見つかったのですが、前輪は車輪のみを台車のシャフトに通して使用するため、外径も軸径も変更できないという条件でかなり難航しました。
初めは当社でも、メーカー置換えで対応できそうなところを当たっていましたが、お客様からも伺っていた通り、そのすべてから断られてしまいました。
そこで、お客様がもともと使っていた車輪の新品を購入し、ウレタン部分を一旦剥がしたのちに高強度のウレタンに巻き替える『再ライニング』という加工を提案しました。
車輪の土台である鋳物部分は今まで使っていたものと同じなので、軸径や車輪の幅は同じです。
初めはウレタン材料を高強度のものに変更することのみをご提案していましたが、お客様のリクエストで、偏平率を上げて抵抗を減らす切削加工を追加することになりました。
既製品の追加工品となるため、強度保証外となりますが、ウレタンメーカーでの強度計算表(参考値)を提出し、ユーザー様側で初めに台車1台分を試作分として購入いただき、走行性や耐久性について検証いただきました。数か月経過の確認をいただいたのち、期待していた通り台車の走行性に改善がみられたということで、正式に採用となりました。
- その他
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【ウレタンの巻替えの手順】
1)古いウレタン層をはぎ取る2)芯金(金属部)の表面をブラスト加工で荒らす3)熱硬化性のウレタン層を成形する4)バリを取り、外形を仕上げる
【注意点】
* 工程2のブラスト加工で、金属部に塗った塗装に剥がれが出ます。気になる場合は4)のあと、塗料を塗ることもあります。
* 工程3で加熱するため、ベアリングが付いたままだとグリスが飛んでしまい、ウレタンのライニングは出来ません。ベアリングが圧入されている場合は一旦取り外してから施工し、ライニング後に再度圧入します。
* 車輪が新品・中古どちらの場合でも強度は保証外です。ウレタンの強度計算書はあくまで参考値となりますので、ご承知おきください。
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