ブログBLOG
2023/10/11
TECHNOLOGY
【ベルト加工Blog】 箱型桟加工
こんにちは。
営業部のMです。
今回のベルト加工Blogは、当社で新たに加工が可能になった横桟『箱型桟』についてご紹介したいと思います。
これまで、バンドー化学㈱様では製作可能でしたが、当社での加工実績はありませんでした。
今回、お引き合いを頂いたことがきっかけとなり、試作加工を繰り返して、ついに製品化に至りました。
ぜひご一読下さい。
目次
1. 初回試作 ~ 失敗
まず、最初に試作した箱型桟(斜め箱型/特殊形状)は、下の写真の通り、全体的に丸みを帯びた仕上りとなってしまいました。
クローズアップした写真なのでお判りいただけるかと思いますが、垂直部分、水平部分、傾斜部分、どれも直線とは言えません。
これはベルト材の曲がり癖などの影響もありますが、折り曲げの加工処理が甘いためと考えられました。
ご相談いただいたお客様から、頭頂部の辺は水平を確保したいとのご要望をいただいていたのですが、頭頂部も歪んだ形状となってしまい、初回試作ではご要望の形状は製作が困難との判断になりました。
しかし、その後も何度か同様の箱型桟について、ご相談を頂く機会があり、製造部と共に再度試作開発に挑戦することとなりました!
2. 再挑戦 ~ 改良
目指すべき仕上り状態は下の2点をクリアーすることです。
・全体的に桟の直線が出ること
・頭頂部の水平度を保つ仕上がりになること
そして、製造部の試作担当が、試行錯誤を重ねて製作した、改良後の桟が次の通りです!
【箱型桟(特殊)】
いかがでしょうか?
初回試作品と比較すると高さ方向の直線も出ており、頭頂部も水平な状態に仕上げることが出来たと思います。
同様に、四角形状の箱型桟(標準形状)も、全体的に直線が出ており、頭頂部の水平もしっかりと保った仕上りになりました。
(桟の高さがある場合に若干の歪みが出てしまうのはご容赦下さい…)
【箱型桟(標準)】
頭頂部の水平を保つための専用溶着型を作製したことで、他の横桟同様に量産品にも対応できるようになりました。
3. 箱型桟の仕様
これまで重量のあるワークを搬送する際には、以下の2つしか選択肢がありませんでした。
*『強化桟』(T型桟1枚挟みまたは2枚挟み)*『山型桟』
開発した箱型桟は剛性が高いため、上記と同様の使用条件下でも、選定対象として検討いただくことが可能です。
しかしながら、箱型桟の形状を保ったまま搬送するにはサイズや材料が限られます。
選定の際には、お客様のご希望条件とマッチしているのか、十分に確認頂く必要があるかと思います。
ベースベルトのサイズや付帯加工の有無等、コンベヤベルトとしての仕様によっても条件は変わってきます。
細かい部分については書ききれないため省略いたしますが、大まかな加工条件は以下の通りです。
【箱型桟の仕様概要】
◆サイズは幅50W~400Wまで、高さは20H~50Hまで加工可能
◆頭頂部の隙間は10㎜固定
※専用型を新規設計することで変更が可能な場合もあります。ご相談下さい。
◆桟材は2PLYの両面カバーベルトのみ使用可能
◆対応プーリー径に関しては、お客様の実機にてご確認ください
◆PVCベルトの場合は形状を保つことが難しいため、対応不可となります
上記以外にも、ベルトの仕様により更に制限が生じる場合や、一部条件変更の提案をさせて頂く場合もあります。
詳細については検討されているベルトの仕様情報を添えて、お気軽にお問い合わせ下さい。
当社では実績のない加工についても試作を繰り返し行い、加工の対応可否確認を都度行っています。
試作加工は1週間以内の実施を目標にし、可能な限りご要望に沿える対応を努めています。
・搬送物に合わせて桟をカスタマイズしたい
・メーカーのカタログには載っていない加工をして欲しい
このようなご要望がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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