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2024/06/03

CREATIVITY

【設計・製作Blog】FOOMA JAPANに共同出展するベルトコンベヤ制作秘話

こんにちは。

製造部技術課のNです。

今回のブログでは、2024年6月4日(火)~7(金)に東京ビッグサイトで開催されるFOOMA JAPAN(世界最大級の食品製造総合展)にバンドー化学様、バンドーI・C・S様と共同で参考出展する下記画像のベルトコンベヤの制作秘話について書きたいと思います。

シンクロベルトで様々な搬送条件を実現できるようなプロフィールを社内で試作開発しました。(仮称)Creアタッチという名称でバンドー化学様と特許共同出願中でして、今回のFOOMA JAPANで初披露いたします。
今回の展示会のために本体のコンベア設計開発も同時に進め、お客様がアプリケーションをイメージできるような搬送物の模型も取り付けています。



私はベルトコンベヤに取付けする4種類の形状の樹脂製のアタッチメントに乗せる様々なもの(フェイクのお菓子等)の色付けやコーヒー缶のパッケージ製作をさせて頂きました。

食品製造総合展をいう事もあり、各アタッチメントに乗せるものは食品に関連するものになっています。

以下、製作に携わったものをいくつか紹介させて頂きます。


仮想① スティック状チョコレート菓子のプロファイル

一つ目は、スティック状のチョコレート菓子です。

これは、3Ⅾプリンターで製作した造形物にプラモデルなどに使用されるカラーインクを筆で丁寧に色付けしたものになります。材質はレジンというものを使用しています。

レジン(resin)とは英語で「樹脂」の事を意味します。
「樹脂」とは、主に樹液から作られる天然樹脂と人工的に生成される合成樹脂があり、液体の状態から硬化させて好きな形やデザインにすることが出来るため、ハンドメイドの材料として大変人気があります。

今回は、UVライト(紫外線)を当てて硬化させる種類のUVレジンの乳白色を使用しました。

UVライトで硬化させ、出来上がったものがこちらです。(着色前)
先端のチョコレートの液だれの所まで細かく計算して設計されており、リアルな感じですね。 
  


インクは、プラモデルでよく使用される有名なインクのようです。

まずは、チョコレート部分に比べ色が薄い持ち手部分から塗っていきます。
塗り終わったら簡易的に穴をあけた乾燥用の小箱に差し込み、乾燥するまで数時間待ちます。

乾燥後、チョコレート部分を塗っていきます。
チョコレートの候補の色が3種類あって非常に悩みましたが、一番茶色の濃いマット(つや消し)タイプに
決定しました。

チョコレート部分を塗り、乾燥させて出来上がったものがこちらです。





チョコレートの液だれの箇所が上手く再現出来ているのと、つやがないマットなチョコレートがとてもリアル
で少し遠めから見たら本物そっくりです!!何も言わず出されたら、一瞬間違って食べてしまいそうですね。


仮想② 缶コーヒー(円筒状のワーク)用プロファイル

二つ目は、缶コーヒーのパッケージデザインを考えました。
アタッチメントの一つに、コーヒー缶を乗せるのに適した半円状のものがあります。(↓下記画像2枚)



そのまま缶コーヒーを乗せてしまうと、下記の問題が発生してしまいます。


 ✓ メーカー名が出てしまうのでNG
 ✓ 中身を入れたままだと重さがあるため、展示中に落ちてしまう可能性があり危険


そこで、オリジナルのコーヒー缶のデザインを考え、空き缶にパッケージシールを貼る事になりました。
空き缶であれば、しっかり接着さえしていれば展示中にコンベヤが回転している間でも落ちてくる可能性
は低いでしょう。

色々なデザインをwebで検索後、いくつかのデザインの中から一番コーヒー缶のイメージに近いものを作成しました。

出来上がったパッケージシールを空き缶に貼ったところ、下のデザインの模様が薄く見えてしまったので、
先程の①スティック状のチョコレート菓子で使用したインクメーカーのサーフェイサーを下地に塗ってから
シールを貼ることにしました。

サーフェイサーとは、プラモデルを塗装する前に施工する「下地塗料」となるもので、塗る事によりパーツ
の透けをなくしたり、上に塗った塗料を剝がれにくくする効果があります。

今回購入したグレーのサーフェイサーを塗って乾燥するまで待ちます。


         【サーフェイサーで塗装した缶とコーヒー缶パッケージシール】




サーフェイサーを塗った缶にシールを貼ったところ、下のデザインの模様が全く見えなくなっていました!
サーフェイサーの効果がバッチリ出ています。

今回はイラストレーターを使ってデザインをしましたが、イラストレーターで見た時の画面とプリントアウトした後の色がかなり違っていて、理想の色を出力するのに苦労しました。
使用しているプリンターによって、青みが強く出たり、赤みや黄みが強く出たりする場合があるからです。

そして、より美味しそうに見える色に調整し、出来上がったコーヒー缶はこちらです。
さて、リアルなコーヒー缶に近づけたでしょうか?








③その他(たまご・ゼリー・ゼリービーンズ)

上記2つ以外にも、四角い桝形のアタッチメント用に、たまごとゼリー、薄型のアタッチメント用にゼリービーンズを接着しました。(ゼリーの画像は撮るのを忘れてしまいました)

アタッチメント部分との接着の際には、先ほど紹介したUVライトで硬化させるレジンを使ったのですが、量が多かったり硬化させる対象物によっては、うまく光があたらないと時間をかけてもなかなか固まりません。
固まったと思っても、コンベヤに装着し試運転させていたら途中でポタポタとレジン液が垂れてきてしまった事も何度かありました。

また、展示用のコンベヤ出荷当日にも関わらず、ゼリービーンズがなかなか到着しなかったり、表面がつるつるしていて滑りやすく接着に向かない特性からか、グルーガンや接着剤でもなかなかうまくつかなかったりと色々な問題が発生してしまいましたが、なんとか無事に出荷に間に合わせる事が出来ました。



短い製作期間でしたが、とてもいいものが出来たと思っています。
私は普段は主に事務作業をしておりますが、今回お手伝いさせて頂いた事で、モノづくりの楽しさ・ワクワク感を感じる事が出来ました。形のないものがどんどん形になっていく様子は見ていて気持ちのいいものです。

お時間があれば、私たちが手掛けたベルトコンベヤを見にぜひブースまで足をお運びください。
(東京ビッグサイト・東7ホール 7J-26 バンドー化学様ブース)




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