搬送ベルトCONVEYANCE BELT
横桟加工
主に、傾斜搬送や整列搬送などを目的として使用されています。
横桟加工は基本的には溶着により取り付けを行いますので、水・油などの制約は受けにくいとされています。
(一部で接着剤による加工もありますので、その場合は制約を受けます)
◆横桟(標準)
横桟材は各ベルトメーカーごとに成型品ラインアップがあります。
当社では、ベルトメーカー製成型品の取付けもご対応可能ですが、搬送ベルト自体を材料として製作する【折り曲げ桟】を標準加工としてご提案しています。
折り曲げ桟は、基本的にベースベルトと同品種か、同素材の品種で製作しますので、溶着強度についても問題は無く、ベースベルト選定時のご使用条件下であれば水・油などの制約を受けることもありません。
また、心体が帆布となることから、桟の破断を心配する必要が無いのもメリットです。
◆横桟形状ラインアップ
搬送用途やワーク形状により、成型桟の形状ではカバーしきれないケースがあります。
当社がご提案する折り曲げ桟は、成型品には無い形状のラインアップを豊富にご用意しておりますので、用途に合わせて選定いただけるのも、メリットの一つです。
T型桟
折り曲げ桟の標準仕様となります。
桟材となるベルトは2PLYベルトを標準として選定しており、桟高さは10㎜~100㎜まで対応可能です。
(1PLY両面カバーベルトも桟材として選定可能ですが、桟高さは50㎜までの対応となります)
高さ100㎜超でもご対応可能な場合がありますので、想定されているベルトスペック情報を添えて、お問い合わせ下さい。
I型桟
T型桟の足部が無いパターンです。
足部が無いことで、T型桟と比較して小プーリでの使用が可能です。
搬送面に段差が生じないことから、ワーク残留物等の堆積が発生することも無く、より衛生的な状態を保つことが出来ます。
ただし、足が無いことで溶着面積が少なくなるので、重い搬送物には不向きな形状となります。
桟高さは100㎜まで対応可能ですが、重い搬送物は不向きな点を考慮すると50㎜程度が実用的な高さ限界になると思います。
後述する『F型桟』と同様の仕上り形状となりますが、F型桟と比較して厚みが薄い仕上りとなります。
厚みが薄くても、帆布ベルトを折り曲げて溶着していることから、剛性に優れるのがメリットです。
L型桟
ベルトを折り曲げて、L字形で取付けるパターンです。
他の折り曲げ桟と異なり、ベルトを重ね合わせない仕様ですので、なるべくワークに変形や傷を生じさせたくない場合に適しています。
搬送面は溶着時の曲げ加工により、垂直となる設定をしていますが、曲げ加工による復元作用により、多少の倒れが発生する等の、仕上りにばらつきが発生してしまいます。
TB型桟
T型桟の根元から傾斜をつけたパターンです。
傾斜角はT型桟を基準として、ベルトの搬送方向に約15°~20°の設定です。
(L型桟と同様に、曲げ加工における復元作用により、傾斜角には多少のばらつきが発生します)
傾斜搬送用の形状となり、条件にもよりますが、30°~50°での搬送が可能です。
TC型桟
T型桟の先端部位を折り曲げて、先端だけに傾斜をつけたパターンです。
桟先端より30%程度の位置から、30°程度の傾斜角をつける設定で、傾斜搬送時の荷こぼれを防止します。
(L型・TB型と同様、傾斜角にはばらつきが発生します)
山A型桟
T型桟などの様に折り曲げたベルト同士を溶着せずに、形状は『⊿』のような仕上りとなります。
ワークの重みで搬送時に桟が倒れ込むのを、極力回避したい場面でご使用いただく事が多いようです。
T型桟と比較して、比較的大きなコストアップになってしまいますので、まずはT型桟かTB型桟で、ご検討いただく事をおすすめしています。
山B型桟
山A型と似た形状ですが、桟の先端部だけ折り曲げたベルト同士を溶着しています。
形状的には山A型とT型のハイブリットとも言えます。
桟の高さは必要だが、倒れ込み防止の支え部は小さい方が望ましい、といった場面で選択肢に入ってくる形状になるかと思います。
山A型と同様、コストが大きくなってしまう点にご注意下さい。
F型桟
押し出し成型品のウレタン角材を使用した桟です。
厚さ5㎜を標準品としてご用意しており、桟高さは4㎜から最大50㎜(透明色のみ)までの対応が可能です。
色調は他にも白と緑のご用意をしていますが、こちらは桟高さ30㎜が最大となります。
中寄桟
F型桟でも使用するウレタン角材を使用して、搬送面に対してV字形状に溶着する加工です。
粒状など、バラ物を傾斜搬送する場合に選定頂く桟です。
桟高さは5㎜と10㎜の2種が標準となり、V字の角度は120°となります。
水切りや粉落しを目的として桟の中央位置を空けるタイプや、左右の位置を前後させた千鳥タイプ等、取付け方は色々なパターンで対応可能です。
平桟
高さ1㎜~3㎜で幅10㎜の材料を桟材として溶着する加工です。
主に、両面カバーベルトやウレタンシートを桟材料とした加工になります。
(高さ3㎜を超える場合は、『F型桟』の呼称となり、桟材はウレタン角材を使用としています)
搬送物が薄物の場合や、軽量な場合、コンベヤの仕様上で高さのある桟が取り付けられない等の制限がある場合に、選択肢に上がる桟です。
桟の幅は10㎜が標準となりますが、2㎜~9㎜の桟幅寸法をご要望の際は、溶着用電極型を新規設計することで対応可能となります。
尚、桟幅のサイズによっては汎用電極型を保有している場合もありますので、お問い合わせ下さい。
◆その他の横桟について
これまでにご紹介した横桟形状の他、溶着用電極型を新規設計することで、ご要望に沿った形状への加工も可能な場合があります。
また、溶着用電極型を新規設計せずとも、T型桟に切欠きを入れる形状や、T型桟の折り曲げ溶着部の間にベルトを1枚挟み込んだ『強化タイプ』等、様々な形状で対応した実績もあります。
ベルトメーカーを含め、他社様で断られたケースでも、ぜひ一度ご相談下さい。