搬送ベルトCONVEYANCE BELT
縦桟加工
両端部に取付けて、荷こぼれ防止の用途や、ベルトに多数列の取り付けを行い、搬送物との接地面積を極力減らす目的でもご使用頂けます。
材質がPU・TPUのVガイドやウレタン角材は、食品衛生に関する厚生省告示370号に適合していますので、桟材として使用しても、食品接触用途で使用可能です。
◆縦桟の用途
搬送ベルトで縦桟加工を採用される場合において、主な使用用途となる『荷こぼれ防止用』と『特殊搬送用』について、ご紹介をしたいと思います。
食品搬送でご使用される場合、ベースベルトと桟材質はポリウレタン(PU・TPU)で選定して下さい。
PVCのベースベルト表面に、PVCガイドを溶着加工することは可能ですが、厚生省告示370号には適合しませんのでご注意下さい。
荷こぼれ防止
Vガイドやウレタン角材を、表面に2列取付けることで、主に粒状等のバラもの搬送における、荷こぼれ防止用として使用されています。
基本的には、ベルト両端部位へ取り付けることが多いですが、端部から10㎜程度の隙間をあける等、縦桟の取付け位置やピッチは、用途に合わせて設定することが可能です。
ウレタン角材を取り付ける場合、桟高さは5㎜が標準サイズです。
高さは10㎜まで対応は可能ですが、VB型等の大きなVガイドを取り付ける場合と同様に、適合するプーリ径が大きくなってしまいますので、使用されるコンベヤのスペックに注意して選定して下さい。
高さ10㎜の場合、最小プーリ径は約Φ120㎜以上必要になるというのが、一つの目安になるかと思います。
(ベルトのサイズや取付け本数・位置により変化しますので、検討される場合は事前にご相談下さい)
特殊搬送
縦桟を数列取付けて、粒状の搬送物を整列させる用途や、桟の上に搬送物を載せる用途として使用される場合もあります。
粒状の搬送物の整列目的の場合は、搬送物のサイズに合わせて、取り付け位置の設定が可能です。
また、縦桟の上に載せて搬送する場合は、高温の搬送物によるベルトへの熱影響を極力抑える目的や、ベルトに搬送物がくっついてしまうのを防止するため、ベルトと搬送物の離型性を高めるためなど、使用される目的は様々です。
上の写真は、サンラインベルトにバンコード#480-Φ4を、縦桟として表面に4列溶着したサンプルです。
搬送物を乗せて運ぶといった目的で使用される場合、搬送物を乗せた際のバランスを考慮すると、桟の高さはあまり高くない方が望ましいので、バンコード丸ベルトでΦ4~Φ6程度のサイズや、VD型ガイドを選定するのが、実績から見て一般的になると思います。
縦桟の取り付け位置については、取り付ける桟材料によって左右されますが、基本的には桟と桟の隙間が約10㎜になる位置が、最小寸法となります。
尚、専用の溶着用電極型を新規設計することで、密着した横並びで取り付けることも可能です。
(下の写真はVS2UWガイドの2列並列取り付け加工、社内名称『VS5UW』です)
◆特殊仕様の縦桟
縦桟の高さは10㎜までとの説明をしましたが、10㎜を超える場合でも、縦桟にスリットを入れる仕様であれば、対応可能な場合があります。
本来であれば、硬くて屈曲性に問題があることや、屈曲時に縦桟が変形してしまう等の理由から、10㎜を超える高さはNGになりますが、スリットを入れることで屈曲性や縦桟変形の懸念を除去することが可能となります。
ただし、搬送物がスリットに挟まってしまう等のデメリットもありますので、想定される搬送物の種類やサイズによっては注意が必要です。