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【新潟工場Blog】NCルータによる樹脂切削加工
新潟工場Blogの第2弾として、前回に引き続いて『樹脂切削加工』で焦点を絞り、前回とは違う加工設備のご紹介をしたいと思います。
今回は、『ガントリー型NCルータによる樹脂切削加工』のご紹介です。
前回取り上げたロボドリルと比べた場合、基本的には同じような加工をする設備になりますが(動作等は大きく異なります)、ロボドリルは比較的小さな材料から削り出す製品や立体的な加工に向いた設備であり、NCルータは板物のような大きな材料を平面的に加工することに対応した設備になります。
◆NCルータとは
ルータ加工機は、もともとは家具や楽器などに使われる、木材のくり抜き・装飾加工に用いられる加工設備でしたが、現在ではプラスチックから軽金属をも切削できるように進化したものです。
特に、ガントリー型と呼ばれるタイプは、クロスレール上で主軸が移動する構造となっていますので、ワークテーブルは固定式となり、テーブルの剛性に依存しないことから、大きな板物などの材料でも加工が可能となっています。
構造上、2次元加工を得意としており、バキュームテーブルでワークを固定する方式を採用しているため、ワークに傷をつけずに加工することが可能です。
また、現在はその殆どがNC(数値制御装置)を搭載しているタイプとなり、ATC(自動工具切り替え装置)を搭載していることも多くなっています。
新潟工場では、シンクス社のNCルータを4台保有し、樹脂の板物加工用として活躍しています。
◆NCルータによる樹脂切削加工
まず準備作業として、図面から加工プログラムを作成します。
シンクス社のNCルーターは専用CAD/CAMソフトがあり、NCルータに接続されているPC上で、CAD/CAMデータの作成や刃物の送り速度や回転数等の加工条件の設定を行います。
次に、加工段取り作業です。
加工プログラムで使用する工具設定を行っているので、加工に必要な刃具をNC用ドリルチャックと呼ばれる工具にセットし、プログラムで設定した位置のツールホルダにセットします。
基本的に、刃具はエンドミルとドリルの2種類を使用しています。
(穴明け加工が無い場合はエンドミルのみです)
ワーク(加工材料)はテーブルの基準位置にセットしてからバキュームで固定しますが、製品サイズが小さい場合や、加工内容によってはバキュームの吸引力では固定しきれない場合も想定しなければなりません。
状況に合わせて治具を使った固定、加工データの調整等が必要になってきますが、この見極めができるか否かが、熟練作業者への第一歩と言えるのかもしれません。
段取り作業が完了したら、いよいよ加工開始です。
プログラムで指定した刃具がセットされ、切削が始まります。
切粉が切削部位や刃物に溜まらないように、エアーの掛け方を調整し切粉の排出性を良くします。
また加工材料によっては主軸に集塵口がついているので、なるべく集塵装置で切粉が吸引されるように調整を行います。
ちなみに、金属加工とは異なり、樹脂はドライカット(切削油は使わない加工)で切削を行います。
加工が完了した後は、切削バリを除去するために、C0.2程度の糸面取りを手作業で行って、完成です。
板材の中には、材料表面の傷防止のために保護フィルムが貼られているものがあります。
加工時にはそのままで問題無いのですが、糸面取りを行う際には、対象部を少し剥がして作業する必要がありますので、慎重に作業を行っています。
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