工業用ゴム・プラスチック製品の専門商社|株式会社クレタス

事例紹介SOLUTION

傷防止・グリップ良のサイドベルト・ウレタンシート中空桟加工
#Ω型 #オーム桟 #ボトル搬送 #サイドベルト #挟みベルト #傷防止 #グリップあり #食品用 #クッション性

【ウレタンシート中空連続桟:Ωオーム形桟】



タイミングベルトにウレタンシートを波打つように溶着し、凸部は中空になる形状の桟加工です。
その丸く膨らんだ形から、「オーム(Ω)形桟」と呼ぶこともあります。

中空となっている凸部のクッション性を活かし、2本使いで左右から挟む『サイドベルト』などの用途で主に使用されています。


ご相談内容・課題
装置メーカー様からのご相談。

食品用のボトルにラベルを貼る装置を作っているが、装置投入時にボトルを立てて運ぶ構造のため、両側から挟んで送り込むベルトについて検討している。
スポンジやゴムシートを表面に貼ったベルトなど、色々な搬送ベルトを生産していると思うので、何かいいアイディアを出して欲しい、とのこと。

設計担当の方と機能面についての打合せで、要望される条件の絞り込みを実施。


【条件】
●搬送物は中身の入ったプラスチック製の透明ボトルのため、傷は厳禁
(接地部位はなるべく柔らかいもので)

●ボトルサイズ切換えの際、ベルト交換や装置の設定変更が発生しないようにしたい
(複数種類のボトルサイズに対応できるように)

●運ばれてきたボトルの向きを保ちたいので、ズレないようにグリップの強いものが良い


ご提案内容
絞り込まれた条件を踏まえ、ベルト加工材料のサンプルを持参して詳細打合せにて、ウレタンシートを使った連続中空形状の桟(オーム形桟)の提案を行いました。

凸部は中空構造でクッション性があるため、ある程度ボトルの太さが変わっても、ベルトを調整することなくしっかり挟むことが可能な横桟です。

加工サンプルで実際に確認いただいたところ、傷がつかないクッション性と、サイズの違うボトルにも対応できる保持力は評価されたものの、求めるレベルのグリップ力が無いとの評価でした。

そこで、次策として材料のウレタンシートの上にグリップ力の高い別のウレタンシートを重ねて溶着し、2層構造にして再度サンプルを確認いただいたところ、グリップ力も高い仕上りで条件全てをクリアできたとの評価となり、ご採用となりました。

この装置に採用されたベルトが好評だったため、その後の別機種でも採用いただく事ができました。


その他
オーム形桟は今回ご紹介した左右から挟むサイドベルトのほか、上から軟らかいものを適度に押さえる用途にも採用されている技術です。
使用しているウレタンシートは食品衛生法に適合しており、食品工場でも多く採用されている材料です。

また、ウレタンフォーム(スポンジ)と比べて耐摩耗性が高く、抵抗が大きい用途の場合もボロボロとちぎれてしまうリスクが非常に低いことも特長の一つです。

今回は2種類のウレタンシートを溶着加工で2層にしたものを使用していますが、ウレタンシート1枚で作る場合や、コンベヤベルト材料を使用して桟を製作する場合もあります。

搬送ベルト・搬送タイミングベルトにおいては様々な加工実績がありますので、お困り事がありましたらお気軽にご相談ください。