設計・製作DESIGN MANUFACTURING
制御盤の設計と製作
今やどこの生産現場でも省力化、生産性向上を目的として、自動化装置の導入が進んでいます。
自動化装置とはあらかじめプログラミングした通りに動く装置のことです。
ON/OFFだけでなく、速度や時間など複雑な動きは『制御盤』によってコントロールされています。
このページでは制御盤について説明します。
自動化装置とはあらかじめプログラミングした通りに動く装置のことです。
ON/OFFだけでなく、速度や時間など複雑な動きは『制御盤』によってコントロールされています。
このページでは制御盤について説明します。
目次
◆制御盤とは
制御盤とは、ずばり電気機器を制御(=コントロール)するための盤(=箱)のことです。
私たちの生活の中でも身近なところでは建物の設備などさまざまな場所に制御盤は設置されています。
その役割は電気機器に流れる電流を制御することによって、想定している動作を自動化することです。
機械はそれ自体では動くことはできません。
制御盤は機械へ電気信号を送り動作を与える、まさに『司令塔』なのです。
制御盤による制御の方法には大きく分けて2つあります。
以下の項ではその2つを説明していきます。
◆制御の方法① リレーシーケンスとは
リレーシーケンスではリレー(電磁継電器)と呼ばれる部品とその他の電気機器を活用して回路のON/OFFの切り替えを行います。
リレーのコイル部分に電流を流して電磁力を発生させ、その力によって接点のON/OFFを行うため、リレーシーケンスは物理的な制御方式といえます。
〇メリット
・故障個所が特定できれば部品の交換だけでよい
・PCや専用のソフトウェアが不要
・制御内容が簡単なものであればPLC方式より安価に抑えられる
・テスターで故障個所の特定ができる
・ノイズに強い
・大きな電圧を必要とする機器でも小さな電圧で制御できる
×デメリット
・物理的な接点のため接点の摩耗や表面酸化などにより接点の寿命がある
・複雑な制御では制御盤のサイズが大きくなる
・設備が故障した場合のメンテナンス性が悪い
・物理的な回路の一つ一つを技術者が様々な調整を行いながら制御を行う必要がある
・追加・改造を伴う変更では配線を変更しなければならない。
・変更作業では時間がかかることや、作業者が配線ミスをしてしまうリスクがある。
◆制御の方法 ② PLC制御とは
リレーシーケンスが物理的な電気信号での制御であるのに対し、PLCはプログラム言語を用いて外部機器の制御を行う方式です。
コンピュータによる制御と考えれば分かりやすいでしょう。
〇メリット
・プログラムの変更で動作変更が容易にできるので、物理的な配線や部品交換が不要
・複雑な制御が省スペースで出来る
・部品同士の省配線化でコストダウンにつながる
・ソフトウェアなので量産化が容易
×デメリット
・他メーカーへの変更はハードルが高い
・PLCが故障した場合は一式交換が必要
◆制御方法の使い分け
単純な制御機構であればリレーシーケンス、複雑になればPLCが使用されるのが基本ですが、両方を組み合わせて使用する場合もあります。
最近は工場などの生産設備でリレー制御・PLC制御の両方を用いた制御回路が一般的となっています。
制御方法の選択については以下のような条件を検討する必要があります。
・サイズ
・価格
・操作性
・今後の改造の可能性の有無
・製作数量
など
◆制御盤ができるまで
これまで説明してきたように、どちらの制御方式にするのかによって設計が大きく異なります。
まずはお客様の目的、どういった動きを自動化したいのか、どういった場所で使うのか、詳細のヒアリングが重要となります。
ヒアリングから構想に掛けて、設計者と綿密な打ち合わせが必要です。
全体の流れは以下のようになります。
◆制御設計事例紹介
これまで制御の設計から行なって製作した装置の一部をご紹介します。
お客様の依頼で製作したものについては、掲載の許可をいただいたもののみ、別のページに写真等も掲載しております。
また、自社工場の自動化を目的として開発した装置についても別ページで詳しく載せておりますので、そちらもご覧ください。
【検査装置】
・ 菓子パン外観検査装置
・ ダンボール箱印字検査装置
・ レトルトパウチ加圧検査装置
・ 製菓工場調味料供給量確認装置
【加工装置制御】
・ 生花加工機(改造)
・ 製菓工場用クリーム撹拌機(改造)
・ 製菓工場用ミキサー投入機制御
・ 蛇行追従ガイド
【社内向け コンベヤベルト用自動加工機】
・ 蛇行防止桟自動溶着機
・ 溶着加工機用安全装置
・ 自動スリット加工機
・ 自動打抜き加工機
【開発品】
・樹脂板曲げ加工用ヒーター 温度制御
・ベルト走行試験機
・ベルト周長検査装置
◆制御盤の製作
ここまで制御の設計の話を主にご紹介しました。
労働人口減少の懸念から、どの業界においても自動化装置の需要は高まっています。
そのため、設計だけではなく、制御盤や装置の組立てについての需要も増えています。
何万台と同じものを作る家電のような製品では、大掛かりな自動機によって組立をします。
しかし、オリジナル性の高い加工機や検査機の場合、1台または数台しか必要ではないという場合が非常に多いです。
当社は制御盤の製作、組立についても承っております。
支給材の組立てのみの場合も、図面だけいただいて材料の調達から行なう場合もどちらも対応可能です。
作業員不足、少量から量産への急な切り替え時など、お困りごとがございましたら是非ご相談下さい。