樹脂加工RESIN PROCESSING
接着・溶着加工
◆接着加工
接着とは、接着剤と被着材料が結合している状態のことを指します。
接着剤に含まれる水や溶剤が化学反応を起こし固まることで結合させます。
接着接合は、熱硬化性樹脂を含む、異材同士でも容易に接合ができる点や、溶接のような高温を必要とせずに低い温度で接合が行えるので、熱に弱い材料でも接合でき、熱歪みを小さく抑えられる点がメリットです。
単位面積当たりの接合強度は、溶接やボルト止めなどに比べると低いので、接着面積を増やしたり補強用リブを設置して接合強度を上げる方法もあります。
◆溶着加工
溶着とは、熱可塑性樹脂や非鉄金属の接合に利用される加工で、接合部分を溶かして結合させる手法です。融着や熱接着とも呼ばれます。
溶剤で樹脂を溶かして接合する方法や、熱で溶かして接合する『高周波溶着』・『超音波溶着』・『熱溶着』などの加工方法があります。
◆溶着加工の種類
高周波エネルギーの電界作用で被加熱物(誘電体)を発熱させる、高周波誘電加熱法で結合させる加工方法です。
高周波用の金型(電極型)で被加熱物の樹脂を挟み、圧力をかけながら高周波電界を加えると、分子レベルの振動・摩擦などにより物質内部から熱が発生し、被加熱物を溶かして融合、溶着されます。
溶かしたい部分を狙って加熱できるので、その他の部位への熱影響が少なく抑えられるのが特徴です。
超音波振動を『ホーン』と呼ばれる共鳴体の先端から被加熱物に伝え、摩擦熱で樹脂や金属を接合する方法です。
ほぼ全ての熱可塑性樹脂に適用できることや、加工時間が非常に短いなど多くのメリットがあります。
その反面、加工形状に合わせてホーンを準備する必要があり、高額な初期費用が発生する場合があることや、大きな部品や複雑な形状、立体的な形状などの溶着が難しいといったデメリットもあります。
加熱した熱板で樹脂を溶かし、冷えて硬化する間に圧力を加えて接合する方法で、樹脂溶着では古くから使われてきた加工方法です。
溶着強度が高いことや、大きな部品やブロー成型品も溶着できることがメリットです。
デメリットは予備加熱の時間が必要で、常に温度管理にも注意しなければならない事です。