ゴム加工RUBBER PROCESSING
ウォータージェット加工
◆ウォータージェット加工
ウォータージェット加工とは、高圧ポンプで加圧した水を小径のノズルから噴射して、その水流で対象物の切断・切削・穴明けなどを行う加工方法です。
ウォータージェット加工には、水だけで加工を行う『アクアジェット(ピュアジェット)加工』と、水に粒子状のガーネット(研磨剤)を入れて加工を行う『アブレシブジェット加工』があります。
前者は主にスポンジやゴムなどの軟らかい素材に適しており、後者は金属はもちろんのこと、チタンやセラミックなどの難切削材でも加工が可能です。
ここでは、ゴム加工に使用する『アクアジェット加工』についての説明をしていきます。
ウォータージェット加工は水流によって加工を行うため、加工時に熱が発生することが無いので、熱影響による材料が変形してしまうリスクが無いというメリットがあり、刃物を使用した機械切削よりも加工スピードが速いことも特長です。
ただし、原理的に水が対象物を貫通させる仕組みの加工になるため、ザグリ加工のように、途中で削る深さが変わる加工には対応できません。
また、加工精度については機械加工に劣るといったデメリットもあります。
◆切削痕とテーパー
水流は対象物を貫通する間にその力が減退してしまうため、硬質材料や厚みがある対象物の場合は、徐々に水が当たる部分が逸れて切断面にテーパー(傾斜)が出来ることがあります。
また、水流方向に筋状の切削痕が発生するため、加工面の面粗度が求められる場合には適しません。
軟らかい材料や、薄い材料の場合はどちらもそれほど目立たない仕上りになりますが、そうでない場合は出来栄え確認を行ってから、本加工で適用できるかの判断する必要があります。